はじめに
みなさんは歴史の授業で、「645(むじこ)の大化の改新」とか覚えたことはありませんか?
この「645」とは、645年のことであり、645年に大化の改新が起こったということです。
ではこの645年とは何かというと、西暦(せいれき)というキリスト教の暦であり、それを後世の歴史研究者たちが当時の年代に当てはめたものです。
さらに歴史の教科書では、645年を「7世紀(せいき)の中ごろ」という表現もします。
ではこの世紀(せいき)とは何でしょうか?
では今回は西暦・世紀とは何で、それをなぜ日本の歴史の授業で使われるようになったかを説明します。
西暦とは
西暦(せいれき)とは、西洋のキリスト教に基づく年号の表記のことです。
よってキリスト教の中心的人物であるイエス・キリストが誕生したといわれる年を紀元(きげん)と定めています。
そして紀元を境に、その前の時代を紀元前(きげんぜん)またはB.C.(Before Christ)とし、その後を紀元またはA.D.(Anno Domini)としています。
ちなみに「BC」、「AD」表記でもOKのようです。
ちなみに紀元0年は存在しません。
あくまで紀元の年は紀元1年(AD1年)であり、その前の年は紀元前1年(BC1年)となります。
ご注意ください。
世紀とは
ではつぎに世紀(せいき)について説明します。
たとえば歴史の授業で「8世紀は天平文化(てんぴょうぶんか)が発展した」とか説明されますよね。
ではこの世紀とは何かというと、紀元から100年間ごとに区切ったものです。
つまり1世紀とは「AD1年からAD100年まで」のことで、2世紀とは「AD101年からAD200年まで」のことです。
えっ!100年代が2世紀なの?1世紀じゃないんだね。100年代を1世紀にしてくれたら覚えやすいのに…
でもそれでは1年から100年までの表記ができないから仕方ないよ。世紀は「100の桁(けた)+1」で覚えるしかないね。
ちなみに最近でいうと、2000年は2000年代最初の年ということで「ミレニアム」とか呼ばれましたが、21世紀に入ったと勘違いした人がいました。
(自分も恥ずかしながらそのひとりです…)
しかし上の法則からいくと、2000年は20世紀最後の年であり、21世紀に入るのは2001年からですので間違えないようにご注意ください。
なぜ歴史の授業で西暦や世紀が使われるのか
ではなぜ歴史の授業では、西暦とか世紀が必ず使われるのでしょうか?
たとえば日本では、「令和6年」の「令和」という元号(げんごう)とか、「甲辰(きのえたつ)」などの干支(えと)が存在します。
ほかにもイスラム教ではイスラム暦、ユダヤ教ではユダヤ暦といった宗教ごとの暦もあります。
しかし日本史の教科書では、かならず「令和6年(2024年)」と元号と西暦が併用して記載されています。
ではなぜ西暦が世界の暦の基準となったのでしょうか?
それはキリスト教国であるヨーロッパ各国が貿易や植民地拡大により世界じゅうに進出するようになったからです。
このことで非キリスト教国でも、西暦が広がるようになり西暦が世界のスタンダードとなったのです。
よって日本の歴史の教科書においても、世界の歴史との比較をおこなうために元号と西暦も併用するようになったのです。
ちなみに日本で使われている元号は、中国をはじめとする東アジア世界で広く使われていました。
しかし年号の本家である中国も、1911年の辛亥革命(しんがいかくめい)を最後に、「宣統(せんとう)」いう元号を捨てて西暦を使用するようになります。
よって現在において元号が使われている国は、日本のみです。
まとめ
- 西暦とはキリスト教の暦のことで、キリスト教の中心的人物であるイエス・キリストの誕生年を紀元とし「西暦1年」としている。
- 世紀とは紀元から100年ごとに区切ったもの。たとえば1世紀は「西暦1年〜100年」となる。
- 日本の歴史教科書で西暦が使われているのは、世界の歴史との比較のため。
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